Bebop2の空撮動画に飛行データを合成する方法

1.概要

Bebop2の空撮動画の中には、以下のように高度や速度などの飛行データを合成したものがあります。

 

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撮影時の高度や方角などがわかり、とても便利ですので、今回はこのような動画の作成方法をご紹介します。
まずは、必要となるソフトウェアを簡単に紹介します。 必要となるソフトウェアは、空撮した時のBebop2本体のファームウェアのバージョンによって変わりますので、分けて記載します。

 

・Bebop2本体のファームウェアが4.2.0未満の場合
飛行データの合成には、2つのソフトウェアを使用します。
1つ目のソフトウェアは、「FlightData Manager」です。
Bebop2の飛行データを、次に紹介するソフトウェア「VIRB Edit」が利用できる形に変換するソフトウェアです。
2つ目のソフトウェアは、「VIRB Edit」です。
「FlightData Manager」で変換したBebop2の飛行データと空撮動画を合成し、1つの動画に変換するソフトウェアです。

 

・Bebop2本体のファームウェアが4.2.0以降の場合(4.2.0を含む)
飛行データの合成には、3つのソフトウェアを使用します。
ファームウェア4.2.0未満で紹介した「FlightData Manager」と「VIRB Edit」に加えて、「VLCメディアプレイヤー」が必要になります。
ファームウェア4.2.0以降で作成した動画は、「VIRB Edit」側に一部のコーデックがないため、そのままでは「VIRB Edit」に取り込めなくなっています。
そこで、「VLCメディアプレイヤー」の動画変換機能を使用して、「VIRB Edit」で読み込める動画に変換する必要があります。
いずれもフリーソフトですので、無料で使用することができます。

 

なお、前提として、ParrotCloudへのユーザ登録が完了していることが必要です。
これは、「FlightData Manager」が、ParrotCloudから飛行データを取得するためです。
飛行データをBebop2本体から直接抜き出す方法もあるようなのですが、私は試していません。

 

【注意!!】
・VIRB Editのバージョンについて
 この記事作成時点の最新版は5.3.1ですが、少し古いバージョンである5.1.2でないと、機体の傾きを表すピッチとロールが正しく表示されません。
 現在、公式HPからは、バージョン5.1.2はダウンロードできません。
 ピッチとロールの表示以外は問題ありませんので、我慢するしかありません。

 早くソフトウェアが修正されることを望みます。

2.ダウンロードサイト

各ソフトウェアのダウンロードサイトを、以下に載せておきます。

 

・FlightData Manager

 

・VIRB Edit

 

・VLCメディアプレイヤー
3.手順

 

作業のおおまかな流れです。

 

①必要なソフトウェアのインストール
②テンプレートコピー
③飛行データ取得&変換
④動画変換
⑤動画と飛行データの合成

 

①と②は初回のみ実施します。
①必要なソフトウェアのインストール
 必要なソフトウェアのダウンロードと、インストールを行います。
 ソフトウェアのダウンロードは、「2.ダウンロードサイト」のリンク先より行います。
 インストールは、各ソフトとも難しい部分はありませんので、割愛します。
②テンプレートコピー
 「FlightData Manager」は、ParrotCloudから飛行データを取得し、「VIRB Edit」が扱える形に変換するソフトウェアですが、もう一つの機能として、「VIRB Edit」で使用するBebop2用のテンプレートを「VIRB Edit」にインストールする機能も持っています。
 そのため、ソフトウェアをインストールした初回のみ「FlightData Manager」を使って、「VIRB Edit」で使用するBebop2用のテンプレートをコピーします。
 これを行わないと、「VIRB Edit」での動画合成時に、Bebop2用のテンプレートが使えません。
 以下が手順です。

 

 ・「FlightData Manager」を起動します。

 

 ・「Install Garmin ~ 」のボタンを押します。

キャプチャ_02_01

 

 ・新たに開いた画面の「Install Garmin ~ using Meter」のボタンを押します。

キャプチャ_02_02

 

 ・「~ successfully」の画面が出ればOKです。

キャプチャ_02_03

 

③飛行データ取得&変換
 「FlightData Manager」を使って、ParrotCloudから飛行データを取得します。
 取得したデータを「VIRB Edit」が読み込める形式に変換します。

 

 ・「FlightData Manager」を起動します。

 

 ・「Load data from Parrot Cloud」ボタンを押します。

キャプチャ_03_01

 

 ・ParrotCloudへログインするために、ユーザID、パスワードを入力します。

キャプチャ_03_02

 

 ・「Get list ~ 」ボタンを押すことで、自分の飛行データの一覧が表示されます。

キャプチャ_03_03

 ・一覧から合成したい飛行データを選択(ダブルクリック)し、読み込みます。

  キャプチャ_03_04

 

 ・飛行データが読み込まれ、画面にグラフとして表示されます。
「Export data to files」ボタンを押し、飛行データをPCにファイルとして保存します。

キャプチャ_03_05

 

 ・「Could not find ~」ダイアログが表示される場合がありますが、「OK」を押します。
  理由は不明ですが、「Virbedit.exe_Url」を含むディレクトリが見つからない、と言っています。

  キャプチャ_03_07

・「Files exported successfully」ダイアログが出力され、保存が完了すると、以下の5ファイルが作成されます。

  Bebop2_yyyy-mm-dd__hh-mm-ss.csv
  Bebop2_yyyy-mm-dd__hh-mm-ss.kml
  Bebop2_yyyy-mm-dd__hh-mm-ss_Dont_use_this_file_for_garmin_Virb_Use_fit_file_instead.gpx
  Bebop2_yyyy-mm-dd__hh-mm-ss_Feet.fit
  Bebop2_yyyy-mm-dd__hh-mm-ss_Meters.fit

 

  ※1:yyyy-mm-dd は撮影した年月日
  ※2:hh-mm-ss は撮影した時刻

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キャプチャ_03_09

 

④動画変換
 この作業は、Bebop2のファームウェアが、4.2.0以降で空撮した動画を使いたい場合に必要となる作業です。
 4.2.0未満で空撮した動画には不要な作業です。 空撮時点のバージョンが4.2.0未満であった場合は、この作業は飛ばして、次の「⑤動画と飛行データの合成」に進んでください。
 ここでは、「VLCメディアプレイヤー」の動画変換機能を使用して、空撮動画を「VIRB Edit」で読み込める動画に変換します。

 

 ・「VLCメディアプレイヤー」を起動します。

 

 ・「メディア(M)」メニュー → 「変換/保存(R)…」を選択します。

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 ・「メディアを開く」ダイアログが表示されますので、「ファイル」タブ内「追加」ボタンを押します。

キャプチャ_04_03

 

 ・変換したい空撮動画を選択します。

キャプチャ_04_04

 

 ・「変換/保存(o)」ボタンを押します。

キャプチャ_04_05

 

 ・「変換」ダイアログが表示されますので、「プロファイル」欄で「Video – H.264 + MP3(MP4)」を選択します。
  「出力ファイル」に変換後の出力ファイルを指定します。
「開始」ボタンを押すとファイルの変換が始まります。

キャプチャ_04_08

 ・しばらく待つと、変換されたファイルが出来上がります。

キャプチャ_04_10

 

⑤動画と飛行データの合成
 「VIRB Edit」を使って、空撮動画に飛行データを合成します。

 

 ・「VIRB Edit」を起動します。

 

 ・「ビデオの作成」を選びます。

キャプチャ_05_01

 

 ・作成するビデオの名前を入力します。
  自動で編集画面に替わります。

キャプチャ_05_02

 

 ・「クリップと写真をインポート」を押します。

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 ・「その他をインポート…」を押します。

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 ・飛行データを合成する空撮動画を選択します。

キャプチャ_05_05

 

 ・「インポートのみ」を選択します。
  インポートには時間が掛かるので、しばらく待ちます。

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 ・動画を下のタイムラインに配置します。

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 ・飛行データを読み込むために「G-Metrix」を選択します。
  「G-Metrixをインポート…」を押します。

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 ・「マイコンピュータ上」を選び、「参照」を押します。

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 ・「③飛行データ取得&変換」で変換した、飛行データを読み込みます。
  この時、「Bebop2_yyyy-mm-dd__hh-mm-ss_Meters.fit」ファイルを選びます。

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 ・飛行データが読み込まれますので、良ければ「このログを使用」を押します。
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 ・画面上部の「テンプレート」を押し、表示されたテンプレートから好きなものを選びます。
  「Bebop ~」がBebop用のテンプレートです。
テンプレートが決まったら「エクスポート」を押します。

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 ・出力ファイルの解像度、出力先などを設定します。
  「エクスポート」を押すと動画の合成処理が始まります。

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 ・エクスポート完了後、「エクスプローラで表示」を選ぶと出力した動画が確認できます。

キャプチャ_05_18

キャプチャ_05_19

 

作り方は、動画にもまとめてみましたので、こちらもチェックしてみてください。
なお、こちらの動画は、Bebop2のファームウェアが、4.2.0未満で空撮したものに対応したものです。
具体的には、「④動画変換」についての説明がありませんので、ご了承ください。

 

以上、「Bebop2の空撮動画に飛行データを合成する方法」でした。

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